今年もいよいよあとわずか。
皆さま、新しい年を迎える準備は進んでいるでしょうか。
田中1号です。
クリスマスカードや年賀状などなど
「季節のお便り」をどうしよう~
と悩む? 楽しむ?? 時期でもありますね。
かつて美大で版画専攻だったこともあり、
シルクスクリーンや木版を使って
年賀状はひたすら手作業で作り続けてきました。
しかしながら、
家人が掃除にまい進する中、
ひとり木屑やインクまみれになりつつ
画材・薬品の匂いを充満させることへの
負い目も手伝って(体力的にも辛くなってきて)
近年はデジタルお絵かきに移行しています。
メールやLINE等々
すべてデジタルで済ますこともできる
便利な時代ではありますが、
「手に取って見る」
というこだわりは捨てきれません。
そういうわけで、
暮れの印刷納期表を横目に見ながら
例年通り、ジタバタして12月を過ごしています。
そんな中、必要があって
十年以上前のデータを再利用しようとしたのですが、
保存しているメディアが劣化していて取り出せず、
ちょっと困った事態になりました。
デジタル草創期には
あまり考えられなかったことでしょうけど、
記録・情報をデジタルで残しても万全ではないのですね。
メディアの変遷と劣化もありますが、
読み取る装置自体が、時代とともに消えていく…
というのはちょっと恐ろしいことです。
クラウドに残せば安心?
…この先、それだってどうなるかわからない、
それ相応の防護策も取っておかないと!
などと考えます。
日々流れていく情報はとどまらず
残らないことがスタンダードになっている、
のかもしれませんけどね。
400年前に日本から送られた手紙が
ローマのバチカン図書館に残されているのを
ご存知でしょうか。
徳川幕府のキリシタン迫害が過酷な時代、
当時のローマ教皇から励ましの書簡を受け取った信者たちが
「奉答書」という礼を尽くした感謝の手紙を送りました。
最高級の和紙に金泥を施すという見事な職人技に、
墨を使って、ラテン語と日本語で記されています。
日本にあれば、国宝か重要文化財の扱いをうけても
不思議ではないと言われています。
よく知られているルイス・フロイスが
日本から仲間に送った報告書などもローマに残されていますが、
「十年前のモノです」と言われても信じてしまうくらい
驚くほど良い保存状態だそうです。
和紙と墨を使っている結果だそうです。
約400年も先の人間にまで
その手紙が伝わるとは思いもしなかったでしょうけど、
実際に受け取ることができている事実。
色々な事を考えさせられます。
そんな年の暮れです。
皆さま、良い年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。